第12回  クォーツ時計の歴史

クォーツ時計が発明されたのは1927年です。 しかし、この時まだ集積回路が実用化されていなかったため、電子回路を真空管で構成していました。そのため、高精度は実現されたものの、時計全体の大きさが部屋1つ分に相当するほど大きくなってしまいました。 1958年 精工舎(現セイコー)がタンス大の放送用クォーツ式時計を商品化し、64年には15cm角位のポータブル卓上クォーツ時計を発売しました。 この時点で、クォーツの振動子は全長10cmの真空管に、電子回路はトランジスタ、ダイオードを使用したものにまで小型化されていました。 しかし価格は約13万円と当事の大卒初任給の半年分にあたり、とても庶民に手の出るものではありませんでした。
そして1969年、ついに世界初のクォーツ式腕時計「セイコー アストロン」が発売されました。 K18モデルが45万円、SSモデルが17万5千円でまだまだ高価でしたが、71年から73年にかけて相次いで新モデルが発売され、安定した品質と庶民にも手のとどく低価格化の実現により、5年間で70万個以上が生産されました。 クォーツ時計は瞬く間に、全世界に広がり、機械式時計を中心としていたスイス時計産業に大きな打撃を与えました。
70年代半ばには、クォーツ時計は、時計の主流として確固たる地位を築き、これまで時計業界を席巻していたスイスに代り、セイコーの名が世界のブランドとして認知されるようになりました。
この頃からクォーツ振動子の小型化、電子回路の低消費電力化などの技術革新により、一層の小型化、薄型化が可能になりました。ファッションの観点から、とくに薄い時計に対するニーズは高く、正確な時刻を表示することに加えて、アクセサリーとしても通用する美しい時計を創り出す風潮が芽生えました。 そして1975年に女性用の薄型ドレスクォーツが発売されました。 極めつけは1989年にムーブメントの厚みが1mm以下の超薄型ドレスクォーツが発売されています。
小型化、薄型化と同時に、精度向上および多機能化も進みました。機械式の精度が、日差で表されるのに対して、クォーツの精度は、月差から年差へと驚異的な速さで進化し、省エネによる電池寿命の延長、耐磁製の強化など、精度はもちろんのこと高性能、高品質で耐久性の高いクォーツムーブメントが開発されていきました。 そして様々な用途、ダイバー向け、パイロット向け、鉄道用、視覚障害者用などとして商品化されました。
また、クロノグラフ、永久カレンダー、デュアルタイム、ワールドタイム、スプリットセコンド、カウントダウンタイマーなど様々な機能を持ったクォーツ時計が登場しました。
現在レーシングスポーツ、マリンスポーツなど各種のハードなスポーツにも耐える頑丈なムーブメントとボディ、そしてそれぞれのスポーツに要求される各種機能をそなえたモデルが多数発売されています。クォーツ時計が発明されたのは1927年です。 しかし、この時まだ集積回路が実用化されていなかったため、電子回路を真空管で構成していました。そのため、高精度は実現されたものの、時計全体の大きさが部屋1つ分に相当するほど大きくなってしまいました。 1958年 精工舎(現セイコー)がタンス大の放送用クォーツ式時計を商品化し、64年には15cm角位のポータブル卓上クォーツ時計を発売しました。 この時点で、クォーツの振動子は全長10cmの真空管に、電子回路はトランジスタ、ダイオードを使用したものにまで小型化されていました。 しかし価格は約13万円と当事の大卒初任給の半年分にあたり、とても庶民に手の出るものではありませんでした。
そして1969年、ついに世界初のクォーツ式腕時計「セイコー アストロン」が発売されました。 K18モデルが45万円、SSモデルが17万5千円でまだまだ高価でしたが、71年から73年にかけて相次いで新モデルが発売され、安定した品質と庶民にも手のとどく低価格化の実現により、5年間で70万個以上が生産されました。 クォーツ時計は瞬く間に、全世界に広がり、機械式時計を中心としていたスイス時計産業に大きな打撃を与えました。
70年代半ばには、クォーツ時計は、時計の主流として確固たる地位を築き、これまで時計業界を席巻していたスイスに代り、セイコーの名が世界のブランドとして認知されるようになりました。
この頃からクォーツ振動子の小型化、電子回路の低消費電力化などの技術革新により、一層の小型化、薄型化が可能になりました。ファッションの観点から、とくに薄い時計に対するニーズは高く、正確な時刻を表示することに加えて、アクセサリーとしても通用する美しい時計を創り出す風潮が芽生えました。 そして1975年に女性用の薄型ドレスクォーツが発売されました。 極めつけは1989年にムーブメントの厚みが1mm以下の超薄型ドレスクォーツが発売されています。
小型化、薄型化と同時に、精度向上および多機能化も進みました。機械式の精度が、日差で表されるのに対して、クォーツの精度は、月差から年差へと驚異的な速さで進化し、省エネによる電池寿命の延長、耐磁製の強化など、精度はもちろんのこと高性能、高品質で耐久性の高いクォーツムーブメントが開発されていきました。 そして様々な用途、ダイバー向け、パイロット向け、鉄道用、視覚障害者用などとして商品化されました。
また、クロノグラフ、永久カレンダー、デュアルタイム、ワールドタイム、スプリットセコンド、カウントダウンタイマーなど様々な機能を持ったクォーツ時計が登場しました。
現在レーシングスポーツ、マリンスポーツなど各種のハードなスポーツにも耐える頑丈なムーブメントとボディ、そしてそれぞれのスポーツに要求される各種機能をそなえたモデルが多数発売されています。