第25回 時計技術者になるには

このコラムを読んでくださっている方は、特に時計に興味をお持ち頂いている方だと思います。私はこの質屋の業界に8年になりますが、それまでは特に時計に興味はありませんでした。ブランドもロレックス、オメガくらいしか知りませんでしたし、どの位の値段がするものなのかも知りませんでした。それまでに私が付けたことのある時計は、高校入学のときに買ってもらったセイコーの自動巻時計を皮切りに、カシオのワールドタイム付デジタル時計(SS側で、世界地図が液晶に表示される)、Gショック(たぶん5600系)そして一番長くもっていたのがセイコーのクロノグラフクォーツ(ムーンフェイス付)でした。外国製のブランド時計などまったく興味がなかったのですが、転職してこの仕事に就き、なんで今までこんな面白い、素晴らしいものに興味がなかったんだろうと、思っています。
興味が湧いてくれば、もっと色々と知りたいと思うもので、時計の歴史や取り扱ううえでの知識、どんなメーカーがどんな時計を出しているのか、など調べて、このコラムを綴ってきました。そして次第に自分でも機械式時計の修理ができたら、と思うようになってきました。
では、時計の修理をできるようになるには、どうしたらよいのか調べてみました。私が大学を卒業して就職した20年前は多分時計専門の学校は無く、その頃は時計メーカーに就職してそこで勉強するしかなかったと思います。
今は時計専門学校が、私の知る限りでは2校(いずれも東京)にあります。もしかしたら、工業系専門学校の1学科としてあるかもしれませんが、調べきれていません。
時計修理技能士、という技能検定の国家資格がありますが、受験資格は学歴、実務経験年数、職歴等で細かく規定されており、3級、2級、1級があります。学科と実技の両方がありますので、おそらく専門学校もしくは職場での実務経験がないと受験できないものと思います。ただし、時計修理技能士は免許ではないので、この資格がなければ、一人で時計の修理ができない、ということではありません。
時計専門学校ですが、1つは、時計専門雑誌に広告をだしている専門学校ヒコ・みずのジュエリーカレッジ ( http://hikohiko.jp )ともう1つがロレックス株式会社の運営する、東京ウォッチテクニカム ( http://www.t-wt.jp ) です。
ヒコ・みずのジュエリーカレッジの期間はコース別に2~3年間、定員はあるようですが、具体的に何名とまでは表示されていませんでした。受験資格は高校卒業と同等以上、願書受付は、2007年度は大学生・一般で9月1日(推薦枠)からと11月1日(一般枠)からです。筆記試験は無く、書類選考と場合によって面接で合否を決めるようです。また、短期の体験コースもあるので、真剣に考えている方は応募してみてはどうでしょうか?(2006年は8月26日、30日に開催されます)
東京ウォッチテクニカムは12名しか募集しません。受験資格は高校卒業と同等以上、願書受付は、2007年度は9月11日締め切り、こちらは筆記試験、小論文、面接があり、2年間の授業内容もヒコ・みずのジュエリーカレッジの最上級クラスに相当する、本当のプロを養成するかなり厳しい学校のようです。どちらの学校も東京にあり、実技中心の授業になりますから、東京近郊にお住まいの方しか通うことができません。
詳しくは、各校のホームページ、および直接学校にお問い合わせください。