役に立つ時計の豆知識 質屋 マルニシ質店


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第36回 自動巻時計とワインディングマシーン 

  時計には大きく分けて、ゼンマイを動力とするもの(機械式)と電池を動力とするもの(クォーツ式)があります。電池を動力とするものは、ほおっておいてもその電池が切れるまで最低でも1年位は動き続けます。ゼンマイを動力とするものは、ゼンマイを目いっぱい巻いても、そのまま何もしなければ通常2日間ぐらいしか動きません。最近では高級時計で、ゼンマイを複数個搭載することで8日間位動くものもでていますが、1ヶ月以上動き続きさせるのは物理的に不可能です。そこで、連続で動かすためにはゼンマイを巻いてやらなければならない訳ですが、自動巻時計の場合腕につけていれば人の腕を振る動きをローターが回転運動に変えて、ゼンマイを巻き上げてくれます。その人の腕の振り方にもよりますが、だいたい8時間くらい腕に付けていれば、24時間稼動するくらいの巻き上げができます。
  現在の自動巻機構は切り替え車方式をとっており、ローターが両方向どちらに回転してもゼンマイを巻上げる様になっているため、どちらの腕に時計を付けていても、どのような腕の振り方をしても、ローターが回転しさえすれば、ゼンマイは巻かれます。また、巻きすぎ防止機構も組込まれているため、どんなにローターが回転したとしてもゼンマイを巻き切ってしまう恐れはありません。手巻きの場合は、1日1回決まった時間にフルまで巻上げてやるのが最も時計にとって良い、とされています。
 手巻きの場合、特にアンティークは巻きすぎ防止機構の無い時計が多いので、ゼンマイを巻上げる時の力の加減を覚えておき、巻上げている最中にそれ以上の負荷がかかってきたら、巻くのを止めます。毎日決まった時間に巻いていればおのずと巻く回数が安定してくるはずですので、その回数をおぼえておけば巻きすぎることは無くなると思います。機械式自動巻きにしろ手巻きにしろ、休日等でゼンマイが巻けなければ止まってしまい、時間が狂ってしまいますので休日明け、いざ出勤というとき時計が止まっていたらわずらわしい思いをしなければなりません。また、長期でその時計を使用しない場合でも、ある程度動かしていないと内部の油が固まり、最悪の場合、時計が動かなくなってしまうことがあります。
  手巻きの場合は、人がゼンマイを巻いてやるしか方法はありませんが、自動巻きの場合は、ワインディングマシーンという自動でゼンマイを巻いてくれる機械があります。原理は簡単で時計を機械にセットして、モーターでぐるぐる回すことで、ローターを回転させてゼンマイを巻上げるだけです。単純に一定時間タイマーで回転するだけの簡易的なものでしたら、¥3,000位からあります。¥1〜20,000位で、間欠回転や反転回転など動作パターンやタイマー時間が選択できたりするものもあります。数万円から十数万円もする高級機種になりますと、複数個の時計をセットできたり、本体が高級木材で出来ているなど道具ではなく、家具と見なされるようなものも
あります。もし、高級な自動巻き時計を2本以上お持ちでしたら、ワインディングマシーンの使用をオススメします。 様々なデザインや機能を持った機種がありますので、ご自分の用途とご予算にあわせて、選んでください。


第35回 最近のファッション時計

 ファッション時計という定義はありませんが比較的低価格で販売され、流行によりデザインも多種多様に渡り同一モデルが長期間製造されることのない、いわば使い捨てに近い時計のことを指すようです。
  価格は3万円以下、平均で1万5千円前後のものが多いようですが、定価は10万円を越えるような高額な設定をしながら、実際には数千円〜2万円位で販売されている時計もあります。ブランド自体が製造工場を持っているわけではなく、デザインもしくは企画のみを行なって、国内外の時計メーカーに自社ブランド名での製造を依頼するのです。製造は殆ど中国で安価で信頼性の高い日本製ムーブメントを使用し、1つのデザインで1回だけ大量生産して同一モデルでの再生産は行なわないものが殆どです。つまり、故障が発生した場合、修理はいっさい行なわず製品の交換をします。ムーブメントは共通のものを使っている場合が多いので、在庫が無くなっても修理(交換)可能の場合もありますが、外装部品、特にブレス駒などは在庫がなくなれば、修理不能となってしまいます。デザインは全くオリジナルのものよりも、ロレックス、カルティエ、ブルガリ、 フランクミューラーなど有名なブランドの、特に個性的なデザインを真似たり、融合させたものが多くなっています。
  代表的なファッション時計ブランドは、テクノス、ムスク、エルジン、スウォッチ、フォッシル、ディーゼルなどですが、最近はファッション関係のデザイナーブランドや有名時計店なども参入して きています。テクノスはスイスの老舗高級時計メーカーでしたが、90年代よりファション時計分野に進出し、ムスク、エルジン等とともに、有名ブランドの 時計のデザインに似た時計を造っています。やはり人気の高いロレックスタイプが最も多く生産されています。スウォッチは独自の樹脂製ケースとポップなデザイン、種類の多さで群を抜いており、低価格ということもあり、海外土産の定番として人気があります。色々なアーティスト、デザイナー、映画、企業とのコラボレーションもあり、コレクションしている人も多いと聞きます。フォッシルはアメリカ発のブランドで、1950年代のアメリカンデザインにヒントを得て、特別な価値を求める若者をターゲットに、ブランドイメージを展開しています。著名なデザイナーを起用しフォッシルのイメージを大切にしながら、既存のコレクションの充実を図る一方で、常に新しいライフスタイルや ファッショントレンドを研究し、商品に取り入れています。 時計部門ではフォッシルの他、レリック、ミッシェル、ゾディアック等のブランド展開を 行なっています。また、映画やTVアニメ、企業などとコラボレーションも行なっており、限定品が多数あります。時計の他に、レザー小物、ベルト、 バック、サングラス、アパレル製品等、広範囲に扱っています。また、ライセンス契約に基づき、バーバリー、エンポリオ・アルマーニ、ディーゼルなどの時計も製造しています。 ディーゼルは1978年創業のイタリア老舗カジュアルブランドで、若者向けのアパレル商品、特にデニムとそれに合う小物に力をいれており、時計はその1つです。 ユニークなフォルムのデザインが多く、若者に絶大な人気があります。デザインは自前で行ない、生産はフォッシルに委託しています。こうしたファッション時計を、休日用のセカンドウォッチとして使用し、たまには気分を変えてみるのも良いかもしれません。

当店ではディーゼルのメンズウォッチを扱っております。



第34回 時計の革命 スウォッチ

 スウォッチといえば低価格でデザイン、種類の多さから海外土産の定番となっており誰もが1度は手にしたことがあることと思います。 このスウォッチ は「スイス時計業界によって生みだされた時計」よりネーミングされており、製造しているのはスイス最大のムーブメントメーカー ETA(エタ)社です。
1979年すでに開発されていた組立て式低価格時計「デリリウム」をベースに1980年3月より、当時の社長アーンスト・トムケ自身を開発リーダーとして、まったく新しい時計を生み出すというプロジェクトがスタートしました。スイス時計業界は、クォーツショックにより機械式時計が大きな打撃を受け、それを挽回するため新しいクォーツ時計を必要としていました。クォーツムーブメントの最大の長所は「正確でありながら低価格である」ということです。
ムーブメントが安いのに、それを高いケースに入れてしまってはせっかくの長所が半減してしまうため、部品点数を少なくし製造工程を簡略化して大量生産し、とにかく低価格で販売できることを目標としました。1年の研究ののち、同社エンジニアのジャック・ミューラーとエルマー・モックが、少数部品を使った単純時計のコンセプトを作り上げ、最初の試作品が完成しました。 このプロジェクトは秘密裏に進められ、当初「ノン・ウォッチ」と呼ばれていました。これには時計の技術、デザイン、製造に関して、ことごとく今までの伝統を覆す意味が込められていました。やがて社内でプロジェクト名を「ポピュラス」と改名し、最終的に1981年7月に商標を「スウォッチ」としました。
  スウォッチの最大の特徴は、その素材と製造工程にあります。大量生産するためには、製造工程をできるだけ自動化しなくてはなりません。そのため専用の製造設備の開発および、時計のほうも自動化しやすい構造が求められます。また、素材も安価で製造し易いものを選択しなければなりません。スウォッチは、ケースにABS樹脂を用いてモジュール形式のムーブメントを機械ではめ込んだ後に、風防ガラスを高周波でケースに直接溶接することにより、工程の簡略化と低コストを実現しています。 (そのかわり基本的に修理はできません)電池は裏側に明いた穴より装入し、その穴はパッキン付板金で作られた蓋を使い、簡易ねじ込み式で塞ぎます。
ベルト、尾錠も通常は樹脂製(モデルにより、革製、金属製ベルトもある)で金属ピンにより本体に接続されます。また、アイロニーシリーズは本体にもステンレス、アルミなどの金属を使用しています。箱も透明プラスチック製で、箱から出さず、そのまま店頭に展示できるように工夫しました。
 1981年10月にはデザインが決定されて、1982年4月に120種類、30万個のプロトタイプがアメリカでテスト販売されました。アメリカにはヨーロッパに比べて歴史、伝統がない分、新しいものを積極的に受け入れる自由な気風があるため、これまでにない新しい時計の販売モニター先としては最適で、最終的に27のデザインが製品化されることになりました。覚え易いネーミングと、一般市民でも手の届く価格帯、多彩なデザインによりスウォッチの知名度は瞬く間に上昇しました。
  また、発売当初から、ファッションと同様に、春・夏コレクションと秋・冬コレクションの年2回新製品を発表し、しかも1つのモデルの生産は1シーズンに限る、という方針をとりました。
これは時計業界としては、常識はずれとも言える戦略で、大量生産されながら、特定のモデルを入手できるのは半年だけという、いわば限定品としたことで顧客の購買意欲を高め、時計でありながらファッションと同じく流行を追うものになりました。また、地域限定商品もつくり、免税店に置くことで、海外土産としての地位も確立させました。日本市場には1985年より進出し、公式HP には常に最新のデザインが掲載され、通販も可能となっています。

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第33回 スイス時計業界とETA社 Part.2 2010年問題

 いまスイス時計業界全体は、大きな変化を迎えようとしてます。クォーツショックの後、時計業界、とくに高級機械式時計やその部品メーカーは多くが統廃合され、スイスではかつて1500以上あった会社が500位になってしまいました。そして、90〜2000年にかけていくつかの巨大グループが生まれ現代にいたっていますが、2005年に新たな動きが持ち上がりました。
  スイス時計業界とETA社の深いつながりは前回(第32回)に述べましたが、2005年にETA社は、2010年までに、他グループへのムーブメントの供給を段階的に縮小すると発表しました。これによりスイス時計業界に激震が走りました。スイス高級時計の約半数にETA社ムーブメントが使用されており、スウォッチ グループに属さないメーカーはムーブメントの供給を受けることが困難になり、新たなムーブメントの供給先を自グループ内に求めるか、自社開発するかしかなくなります。また、独立系ブランドも自社開発するか、どこかのグループに属するかの選択をせまられています。これが、2010年問題です。
  ただし、このことは以前から噂されておりスウォッチグループに属したETA社が、自分のグループの競争力を高めるため、他グループへの供給を 縮小することは十分考えられました。当然他グループも自社開発できる技術力と資金のあるブランドは、独自のムーブメントを搭載してくるように なります。先陣を切ったのはロレックスで唯一他社ムーブメント、ゼニス(但しゼニスはLVMHグループです)のエル・プリメロ(ロレックス仕様)を搭載していたデイトナを2000年に自社開発ムーブメントに切り替えて完全にマニュファクチュールとなりました。また、リシュモングループのパネライは自社開発ムーブメントを、LVMH グループのホイヤーは、同グループのゼニスを搭載したモデルを発表するなど、脱ETA製ムーブメントの動きが加速しています。 また、ETA社と同じ グループのオメガも、新型の自社開発ムーブメントを組込んだ新作モデルを発表するなど、高級時計ブランドでは、マニュファクチュール化の動きが 活発になってきています。 これは市場のニーズが高級化してきたことと、各高級ブランドが自分の商品にはやはり自社開発の機械を載せたいと言う願望、そして商品の重要な部分をライバルに握られていて、いざというとき会社の存亡に関わってくる、という状態からの脱却を目指したことの結果だと思います。
  一方、自社開発できないブランドは調達できるムーブメントに合わせて、モデルチェンジをしたり価格アップを余儀なくされそうです。 なぜ、ETA社が供給を縮小するのか、先に延べた「競争力を高めるため」という意外にも、理由はいくつかありますが、特に大きなものとして、いわゆる コピー商品の特に精巧なものの殆どにETA社のムーブメントが使われていることがあるようです。ETA社のムーブメントは信頼性が高く、安価で 手に入り易い為、数万円の時計から何十万もする時計にまで幅広く使われています。低価格の時計は、ETA社のムーブメントをそのまま組込んでいます。高級品は、仕上げ直しをして精度を高めたり、独自の機構を追加して付加価値 をつけていますが基本機能は変わりません。特にスーパー級と呼ばれるコピー品は、安価な時計のムーブメントを取り出し偽造した高級時計のケース に組み込むことにより、機能的にはまったく同じ時計を作る方法がとられており、外側を偽造する技術も年々巧みになってくるため、こうしたコピー商品の氾濫を抑制するねらいもあると思われます。


第32回 スイス時計業界とETA社

 ETA社は世界最大のムーブメント供給会社です。1970年代のクォーツショックにより多くのスイス時計メーカー、部品、ムーブメント供給会社が統廃合を余儀なくされました。ETA社もそのような中で1984年に誕生し、スイスの代表的なムーブメント供給会社が参画しています。バルジュー、ヴィーナス、ユニタスなど、アンティークから現代に至るまで、名機と呼ばれたムーブメントを開発、供給したメーカーが目白押しとなっています。そして、それらの名機はETAの名前のもとで現在も生産が続けられています。最も有名なのは、伝説の時計でも紹介したクロノグラフ キャリバーETA7750(バルジュー7750)でしょう。スイス時計のムーブメントの約半数はETA社のムーブメントといわれていますが、スイス製クロノグラフの過半数を一部自社改造しているものも含めて、この1機種のムーブメントで占めています。 また、スイス製以外の時計にもETA社のムーブメントが多く使用されています。
現在、全世界で時計のムーブメントは年間1億個以上が生産されており、その内機械式時計は10%強と言われていますが、機械式時計の人気の高まりと共に年々増え続けているようです。そのなかで、時計業界も他の業種と同じく、再編の動きがでています。復活してきたとはいえ、クォーツショックの苦い経験から各ブランド、メーカーは巨大資本とグループを組んで、大きな変化に対応しようと考えました。 また90年代後半から始まったブランドブーム以降、バック、服飾、宝石ブランドが本格的に時計市場に参入してきたことも一因です。
現在、大きな時計ブランドグループが3つあります。もっとも大きいものが、スウォッチグループで、オメガ、ETA社が中心となり、ロンジン、ブレゲ、ブランパン、ラドー、ハミルトン、ティソ等の時計ブランドとレマニア、フレデリックピゲ等のエボーシュ(ムーブメントメーカー)が属しています。また、海外のお土産でよく見かけるスウォッチはETA社自身が立上げたブランドです。
また、リシュモングループ(旧ヴァンドームグループ)はカルティエを中心とする高級時計、宝飾グループで、パネライ、ダンヒル、ボーム&メルシエ等のブランドと、時計製造をムーブメントからケース等各部品の製造、組立てまですべて自社のみで行なえるマニュファクチュールであるピアジュ、ヴァシュロン、IWC,ジャガー・ルクルト等が参加しています。もう1つがルイ・ヴィトンを中核とするLVMHグループで、ホイヤー、ゼニス、ディオール、ショーメ等が参加しています。その他、フランク・ミューラーの率いるWPHHグループ、ブルガリグループ、モバードグループ等があり、どれにも属さない独立系として、ブライトリング、クロノスイス、オリス、ジン、ショパール、モーリス・ラクロア、パテック、ユリス・ナルダン等があります。
  しかしながら、ETA社は、スウォッチグループのみならず、他のグループ、独立系メーカーのほとんどにムーブメントを供給しているのです。 マニュファクチュールでも全ての機種を、自社一貫生産しているわけではなく、特に価格の低いものは信頼性とコストの面から、ムーブメントはETAベース (仕上げをし直したり、独自の機構を追加したりして使用する)というのが結構あります。完全なマニュファクチュールは、ロレックス、ジャガールクルト、セイコー他、数社しかありません。 また、ムーブメントに関しては、実は主要部品のヒゲゼンマイは、スウォッチグループのニヴァロックス社と日本のセイコーの2社しか量産していないので、真の意味での量産しているマニュファクチュールは、現状ではセイコーしかないのかもしれません。しかし、パテックが自社でシリコン製ヒゲゼンマイを開発し、ロレックスも水面下で動いているとの噂もあり 今後、開発競争にますます拍車がかかりそうです。



第31回 標準時と電波時計

 最近、電波時計という言葉を耳にすると思いますが、これは電波で動く時計のことではありません。各国に設置されている、時間の基準となる「標準時」の発する電波を捉えて、自動的に自分の時間を調整する機能を持った時計のことです。「標準時」とは1958年に定められた国際原子時(TAI:1967 年にセシウム133の遷移周波数に基づいて1秒の長さが正式に定義された)を基準として、東京都小金井市の情報通信研究機構が設定、維持、供給する時間のことで、日本では福島県おおたかやど山および、佐賀県、福岡県にまたがるはがね山の2個所の標準電波送信所から日本全国に、標準電波の形で発信されています。電波時計は、この電波を時計に組み込まれたアンテナで受信し、それを元に時刻を修正します。このように述べると簡単なことのように思われるかもしれませんが、実はこの仕組みを実現、維持するためには大掛かりな装置と最新の技術が投入されているのです。
まず基準の時間「タイムコード」を作り出すセシウム原子時計ですが、1台の大きさが大型冷蔵庫ほどあるもので、情報通信研究機構の本部に18台設置され、その値を平均化して、協定世界時との誤差を1億分の1秒以下に抑えることを目標に調整されています。また、短期的な安定度が優れる水素メーザー原子時計や、非常に大型の設備を必要とする「時計の神様」といわれるセシウム一次標準機との比較で補正をかけています。さらに、各国の標準時間機関とGPS衛星や通信衛星を利用して、相互の標準時のずれを監視し合っています。ここまでして作られた正確なデータをもとに、2個所の送信所に各3台づつ設置されたセシウム原子時計を補正して、正確な「タイムコード」を作り、電波を発信し「標準時」としています。
これほど誤差を0に近づける努力がなされるのは、タイムコードの元となる日本標準時が日本全体の基準時間として、交通機関の運用や地震観測などの厳密な時間管理が必要な現場で利用されるだけでなく、国際的な標準時の生成にも関係してくるからです。
また、近年個人情報の保護、通信の盗聴防止のため、通信の暗号化がされていますが、その暗号化の過程で同期変調するために極めて正確なタイムコードが必要となり、これにも利用されています。
電波時計が世界で始めて実用化されたのは、1986年のことで、ユングハンス というドイツ最大の時計メーカーが電波置き時計を販売しています。日本ではマルマンがユングハンスの技術協力を受け92年に置き時計を、93年に 腕時計を発売しています。 同じ93年にシチズンが開発から生産まで一貫した国内生産の電波腕時計を、95年にはカシオが、2004年にはセイコーが、自社開発の腕時計を発表しています。
  現在では、電波時計の普及率と技術的進歩、完成度は日本が世界でダントツです。特に、アンテナの小型化、ムーブメントの薄型化は目を見張るものがあります。電波時計における国内のパイオニア的存在のシチズンは、93年に自社開発したアンテナを文字盤中心に縦に据えて、右半分に時分表示の針を、左半分にレトログラード式日付、曜日表示を設けた非常に独創的なデザインのものでした。
それから13年、シチズンのもう1つの特徴であるエコドライブ(ソーラー電池)と、耐磁性、耐衝撃性を兼備し、針ずれ補正機能も装備するパーフェックス仕様まで組み込んだ電波時計が、厚さわずか 6.4mmという世界最薄型で発売されています。また、もともと多機能とタフネスが売り物であるカシオは、発売する時計すべてを電波時計とするべく、製品開発に取り組んでいます。

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