第2回 日常の使用法

今回は時計の日常の使用方法について説明します。
機械式時計の場合、ゼンマイを動力としているため、手巻きであれば、手動でゼンマイを巻き上げる必要がありますし、自動巻きでは、1日の内ある一定時間以上は腕に付けてゼンマイを巻き上げてやらなければなりません。
では、手巻きの場合はいつどの位巻き上げてやればよいのでしょうか?また、自動巻きは1日何時間くらい腕に付けていなければならないのでしょうか?

手巻きの場合、1日に1回、巻く時間帯は1日のうち自分のやり易い時間でかまいませんが、常に同じ時間に巻き上げるのが、ゼンマイに最も優しい巻き上げ方です。 一般的には、朝1番におこなうのが良いでしょう。また、巻く回数はフルに巻き上げるのが基本です。通常フルに巻き上げても、よほどの怪力でない限り、ゼンマイが切れる心配はありません。 ただし、ゆっくり優しく巻き上げてゆき、リューズに大きな抵抗がかかったら止めてください。
自動巻きは1日8~10時間、腕に付けている必要があります。 また、デスクワークが多い人や、腕の振りが少ない人は、十分巻き上げられない場合がありますので、手巻き同様、朝一番で20回程度リューズを巻き上げてやると良いでしょう。 自動巻きは巻きすぎ防止機構が組み込まれているので、巻きすぎで、ゼンマイを切ってしまう心配はまったくありません。
正しいゼンマイの巻き方は、親指と人差し指でリューズをはさみ、ゆっくりと下から上へ巻き上げ、そのまま指を離さず逆回しを行います。 再び、下から上へ巻き上げて、再度逆回しを行い、ゼンマイが完全に巻き上がるまでこれを繰り返します。また、機械式時計で2~3日腕に装着せずにおいたため、止まってしまうことがあります。 その場合は、時刻合わせ、日付合わせを再度行う必要があります。その場合、注意すべきことがいくつかありますので、次回説明します。

時計を外す場合は、その置き場所に注意しましょう。 磁気を発生させるものの近くに置くと、ムーブメントが磁気の影響を受けて精度が狂う場合があります。 携帯電話や、テレビ、パソコンのスピーカーの近くなどは要注意です。 また意外と盲点なのが、マグネットのついたクリップのそばやマグネット開閉金具式のバックの中など、家電製品でなくても、時計に悪影響を与えるものが意外と身近にあることに注意してください。また、スポーツをするときは基本的に時計をはずすようにしましょう。とくに機械式は衝撃に弱いため、激しい腕の動きを伴なうスポーツは厳禁です。ゴルフ、テニス、バトミントンなどを行う場合は、時計を外しておきましょう。非防水の時計は、出来るだけ水辺に持っていかない様にしましょう。手洗いの際にも水をかけない様に注意してください。 3気圧、5気圧防水は、非防水と同等と考えておいてください。 10気圧防水でも、リューズがねじ込み式になっていなければ、水に浸すのは危険です。1日時計を使い終わったあとは、毎日汗や汚れを拭き取ってやってください。