第11回 クォーツ時計について

現在、世界で生産されている時計の90%以上はクォーツ時計です。
一般にクォーツ時計は安価なものとして扱われており、時計専門雑誌でもあまり評価されていないようです。 確かに、精巧な工芸品のように職人が組み立てる機械式と違って、クォーツムーブメントは工場で機械により大量生産されているものがほとんどのため、単に時間を知るための道具として見なされてしまうのは、しかたのないことかもしれません。しかし、多くのデザイナーブランドでクォーツ時計をラインアップしており、カルティエ、ブルガリの場合、同じデザイン、同じサイズでクォーツ式と機械式を揃えています。 価格もあまり変わらないことから、クォーツ式と機械式を同格に扱っていることがわかります。 また、グッチ、エルメス、ショパールなどのように、クォーツ式の割合が圧倒的に多いブランドや、クォーツ式しか製造していないブランドも数多くあります。
クォーツ式の利点は、なんといってもその精度です。クォーツ時計の精度は、平均月差(1ヶ月の進み、遅れ)が0.3~1.5秒となるのに対し、機械式は平均日差(1日の進み、遅れ)が10~20秒で、クォーツ式は機械式の500倍以上の正確さを持っています。
また、小型、薄型にでき、時計のデザインの自由度が大きいことも利点です。外周をダイアの駒が動くショパールのハッピーダイアモンドはその代表で、クォーツムーブメントでなければ、実現できなかったでしょう。
そして電池が切れるまで動き続けるため、メンテナンスフリーであることも大きな利点です。
機械式では、ゼンマイをフルに巻いても 36~48時間で止まってしまいます。手巻きなら、毎日ゼンマイを巻く必要がありますし、自動巻でも、毎日8時間程度は腕に着けていなければなりません。休みに時計を1日しなかったら、止まっていたということもよくあります。当然、再度時刻合わせ、日付合わせが必要になり、メカに弱い人にとっては大変で憂うつな作業になります。 また、よくわかっている人でも朝の忙しい時に、時刻合わせなど、ゆっくりやっていられないでしょう。そういう点では、クォーツ時計は大助かりです。 最近はエコ意識の高まりから太陽電池や自動巻と同じ方式で発電して蓄電池にため込む方式など、電池交換不要なクォーツ時計も出ています。
クォーツ時計の原理ですが、人工クォーツ(酸化シリコン)の単結晶に電圧をかけると、非常に高く安定した周波数で振動することを利用し、その周波数を電子回路で処理して1秒間に1回のパルスに変換し、ステップモーターを回転させて、針を駆動するというものです。アナログ(針表示式)クォーツ時計の場合、ステップモーターより先の構造は機械式時計とまったく同じです。 よく、機械式時計と比べてクォーツ式時計は針がピッピッと1秒ずつ飛んでゆく、といわれますが、それはステップモーターの特性によるものです。
クォーツ時計の場合も、モーターより先の構造が機械式時計と同じなのでオーバーホールが必要ですが、電池交換以外は行われていないのが現状です。
理由としては、ステップモーターが極めて正確なので、オイルの劣化による抵抗が増えても、時間の遅れがほとんど無いこと、ムーブメントの価格が安いため故障してもムーブメントそのものを交換する方が、分解修理するより確実で安上がりなこと、などがあげられます。
ファッション時計の場合、修理するより新しい時計を買ったほうが安いこともあります。現在、世界で生産されている時計の90%以上はクォーツ時計です。
一般にクォーツ時計は安価なものとして扱われており、時計専門雑誌でもあまり評価されていないようです。 確かに、精巧な工芸品のように職人が組み立てる機械式と違って、クォーツムーブメントは工場で機械により大量生産されているものがほとんどのため、単に時間を知るための道具として見なされてしまうのは、しかたのないことかもしれません。しかし、多くのデザイナーブランドでクォーツ時計をラインアップしており、カルティエ、ブルガリの場合、同じデザイン、同じサイズでクォーツ式と機械式を揃えています。 価格もあまり変わらないことから、クォーツ式と機械式を同格に扱っていることがわかります。 また、グッチ、エルメス、ショパールなどのように、クォーツ式の割合が圧倒的に多いブランドや、クォーツ式しか製造していないブランドも数多くあります。
クォーツ式の利点は、なんといってもその精度です。クォーツ時計の精度は、平均月差(1ヶ月の進み、遅れ)が0.3~1.5秒となるのに対し、機械式は平均日差(1日の進み、遅れ)が10~20秒で、クォーツ式は機械式の500倍以上の正確さを持っています。
また、小型、薄型にでき、時計のデザインの自由度が大きいことも利点です。外周をダイアの駒が動くショパールのハッピーダイアモンドはその代表で、クォーツムーブメントでなければ、実現できなかったでしょう。
そして電池が切れるまで動き続けるため、メンテナンスフリーであることも大きな利点です。
機械式では、ゼンマイをフルに巻いても 36~48時間で止まってしまいます。手巻きなら、毎日ゼンマイを巻く必要がありますし、自動巻でも、毎日8時間程度は腕に着けていなければなりません。休みに時計を1日しなかったら、止まっていたということもよくあります。当然、再度時刻合わせ、日付合わせが必要になり、メカに弱い人にとっては大変で憂うつな作業になります。 また、よくわかっている人でも朝の忙しい時に、時刻合わせなど、ゆっくりやっていられないでしょう。そういう点では、クォーツ時計は大助かりです。 最近はエコ意識の高まりから太陽電池や自動巻と同じ方式で発電して蓄電池にため込む方式など、電池交換不要なクォーツ時計も出ています。
クォーツ時計の原理ですが、人工クォーツ(酸化シリコン)の単結晶に電圧をかけると、非常に高く安定した周波数で振動することを利用し、その周波数を電子回路で処理して1秒間に1回のパルスに変換し、ステップモーターを回転させて、針を駆動するというものです。アナログ(針表示式)クォーツ時計の場合、ステップモーターより先の構造は機械式時計とまったく同じです。 よく、機械式時計と比べてクォーツ式時計は針がピッピッと1秒ずつ飛んでゆく、といわれますが、それはステップモーターの特性によるものです。
クォーツ時計の場合も、モーターより先の構造が機械式時計と同じなのでオーバーホールが必要ですが、電池交換以外は行われていないのが現状です。
理由としては、ステップモーターが極めて正確なので、オイルの劣化による抵抗が増えても、時間の遅れがほとんど無いこと、ムーブメントの価格が安いため故障してもムーブメントそのものを交換する方が、分解修理するより確実で安上がりなこと、などがあげられます。
ファッション時計の場合、修理するより新しい時計を買ったほうが安いこともあります。