第23回 チュードルとロレックス

皆さんはチュードルというブランドをご存知でしょうか?
チュードルの創設は1930年、そのモデルは、ロレックスに酷似しています。それもそのはず、チュードルはロレックスの創始者であるハンス・ウィスドルフが立上げたロレックスのデフュージョン(廉価版)ブランドだったのです。ロレックスは今日でこそ、高級時計として抜群の知名度を誇りますが、それは1970年代に入ってからのことで、1930年代は拡販に四苦八苦していた時期でした。当事、ロレックスの本社はイギリスにあり、イギリスでの販売を最優先に、時計店に売り込みを続けていましたが、なかなか成果があがりませんでした。1927年に、ドーバー海峡遊泳横断によって、オイスターケースの高い防水性が証明され、ロレックスの技術力の高さは、誰もが認めるところとなっていましたが、お店になかなか置いてもらえませんでした。それは、価格が高すぎたからです。宝飾系ブランドで富裕層がターゲットであればともかく、実用時計としては、一般のユーザーには手の届かない価格設定になっていました。
ここで普通の会社であれば、価格を下げて販売量を増やし、薄利多売で売り上げを確保するところですが、そうするとブランドイメージが低下してしまいます。そこで、ハンスはロレックスのブランドイメージを損なわず、利益をあげる方法を考え出しました。それはリーズナブルな価格帯の別の時計ブランドを立上げ、それにロレックスのオイスターケースを流用したのです。そして、ロレックスのブランドイメージを低下させることなく、オイスターケースの性能をアピールし、また、新ブランドの販売で利益を得ることに成功したのです。ここで、ハンスはイギリスでの販売を重視して、ブランド名をイングランド王を何人も輩出した名門チューダー家の名前を冠した「チュードル」とし、またトレードマークにチューダー朝イングランドの紋章であるバラをアレンジしたものを使用しました。ハンスの死後、1970年ごろに現在の盾の紋章に変更されましたが、それまで何種類かのバラのトレードマークが使用され、アンティーク時計愛好家の間では、バラマーク入りのチュードルは高い人気があります。現在の盾のマークは、チューダー家の家紋をアレンジしたものです。1970年代に入り、ロレックスの高級時計としての地位が確立されると、デフュージョンブランドであるチュードルの実質的な役目も終わりましたが、生産は続けられました。チュードルには、ロレックスでは非常に高価なスポーツモデルに対応する機種がラインナップされており、海外ではロレックスのデイトナに相当するチュードルクロノタイムは人気がありました。外装部品はロレックスと共通のものが多く、またムーブメントとしては、バルジュー7750をベースとしていたため信頼性が高かったからです。日本でクロノタイムが注目され始めたのは、88年におこったデイトナ騒動により、あまりにもデイトナの入手が困難になり、その代用品とされたのがきっかけです。それまで日本にチュードルの正規代理店が無かったため、日本での知名度は殆どなかったのと、デフュージョンブランドということで低く見られ、ブレイクしませんでした。97年に、プロゴルファー タイガー・ウッズとのダブルネームのクロノタイムが発表され、本家ロレックスには無い豊富なダイアルカラーバリエーションにより日本でも大ブレイクし、「チュードルクロノタイムはタイガー・ウッズの代名詞」と言われるまでになりました。正確な定価は不明ですが、新品で20~30万円位、中古なら10万円台で販売されており、定価で70万円以上するデイトナにはちょっと手が出ないという人にはオススメかもしれません。皆さんはチュードルというブランドをご存知でしょうか?
チュードルの創設は1930年、そのモデルは、ロレックスに酷似しています。それもそのはず、チュードルはロレックスの創始者であるハンス・ウィスドルフが立上げたロレックスのデフュージョン(廉価版)ブランドだったのです。ロレックスは今日でこそ、高級時計として抜群の知名度を誇りますが、それは1970年代に入ってからのことで、1930年代は拡販に四苦八苦していた時期でした。当事、ロレックスの本社はイギリスにあり、イギリスでの販売を最優先に、時計店に売り込みを続けていましたが、なかなか成果があがりませんでした。1927年に、ドーバー海峡遊泳横断によって、オイスターケースの高い防水性が証明され、ロレックスの技術力の高さは、誰もが認めるところとなっていましたが、お店になかなか置いてもらえませんでした。それは、価格が高すぎたからです。宝飾系ブランドで富裕層がターゲットであればともかく、実用時計としては、一般のユーザーには手の届かない価格設定になっていました。
ここで普通の会社であれば、価格を下げて販売量を増やし、薄利多売で売り上げを確保するところですが、そうするとブランドイメージが低下してしまいます。そこで、ハンスはロレックスのブランドイメージを損なわず、利益をあげる方法を考え出しました。それはリーズナブルな価格帯の別の時計ブランドを立上げ、それにロレックスのオイスターケースを流用したのです。そして、ロレックスのブランドイメージを低下させることなく、オイスターケースの性能をアピールし、また、新ブランドの販売で利益を得ることに成功したのです。ここで、ハンスはイギリスでの販売を重視して、ブランド名をイングランド王を何人も輩出した名門チューダー家の名前を冠した「チュードル」とし、またトレードマークにチューダー朝イングランドの紋章であるバラをアレンジしたものを使用しました。ハンスの死後、1970年ごろに現在の盾の紋章に変更されましたが、それまで何種類かのバラのトレードマークが使用され、アンティーク時計愛好家の間では、バラマーク入りのチュードルは高い人気があります。現在の盾のマークは、チューダー家の家紋をアレンジしたものです。1970年代に入り、ロレックスの高級時計としての地位が確立されると、デフュージョンブランドであるチュードルの実質的な役目も終わりましたが、生産は続けられました。チュードルには、ロレックスでは非常に高価なスポーツモデルに対応する機種がラインナップされており、海外ではロレックスのデイトナに相当するチュードルクロノタイムは人気がありました。外装部品はロレックスと共通のものが多く、またムーブメントとしては、バルジュー7750をベースとしていたため信頼性が高かったからです。日本でクロノタイムが注目され始めたのは、88年におこったデイトナ騒動により、あまりにもデイトナの入手が困難になり、その代用品とされたのがきっかけです。それまで日本にチュードルの正規代理店が無かったため、日本での知名度は殆どなかったのと、デフュージョンブランドということで低く見られ、ブレイクしませんでした。97年に、プロゴルファー タイガー・ウッズとのダブルネームのクロノタイムが発表され、本家ロレックスには無い豊富なダイアルカラーバリエーションにより日本でも大ブレイクし、「チュードルクロノタイムはタイガー・ウッズの代名詞」と言われるまでになりました。正確な定価は不明ですが、新品で20~30万円位、中古なら10万円台で販売されており、定価で70万円以上するデイトナにはちょっと手が出ないという人にはオススメかもしれません。

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